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詳しい解説

独立行政法人(どくりつぎょうせいほうじん)とは、法人のうち、日本の独立行政法人通則法第2条第1項に規定される「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人」をいう。

日本の行政機関である省庁から独立した法人組織であって、かつ行政の一端を担い公共の見地から事務や国家の事業を実施し、国民生活の安定と社会および経済の健全な発展に役立つもの[1]

1990年代後半の橋本龍太郎内閣行政改革の一環で設立された。イギリスのサッチャー政権時代の行政改革(1980年代前半)で考案されたエージェンシーが手本となった[2]

2010年4月1日現在、104の独立行政法人があり[3]、 13万2015人の職員(2009年1月1日時点の数字、任期付きの常勤職員数を含む)が働いている[4]。 104の独立行政法人全体に対し年間3兆4,227億円が国庫から支出されている(2009年度 概算決定額[5])、 この内 約1兆3000億円が人件費として職員の給料に当てられ(2008年度人件費総額 1兆3269億円、退職金等を含む[4])、 事務職・技術職の平均年間給与は730万6000円である(2008年度)[6]。各法人ごとの詳細は日本の独立行政法人一覧を参照のこと。

目次

特殊法人との違い

1990年代後半の橋本龍太郎内閣における行政改革の一環として中央省庁から現業・サービス部門を切り離す目的でこの制度を規定したが、近年の行政改革では主に特殊法人をこの形態に改組する例が多くなってきている。

特殊法人と異なる点は、資金調達に国の保証が得られないこと(民間企業と同じ)、法人所得税固定資産税など公租公課の納税義務が生じることなどである。

また独立行政法人では、主務大臣が、3~5年ごとに中期計画を策定することが義務付けられている(独立行政法人通則法29条)。

業務運営

独立行政法人評価委員会(通則法12条)
独立行政法人の主務省に置かれ、独立行政法人の各事業年度における業務の実績に関する評価等を掌る。

2つに分類

独立行政法人は特定独立行政法人特定独立行政法人以外の独立行政法人(非特定独法)の2つに分類される。

特定独立行政法人

特定独立行政法人は「業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの」(法第2条第2項)であり、この役員及び職員は国家公務員の身分が与えられる(法第51条)。

2010年4月現在、特定独立行政法人は次の8法人である。

非特定独立行政法人

非特定独法については、役員及び職員の身分の扱いが異なる。雇用保険が掛かるなど民間と同じ扱いになり、国家公務員が出向する際には退職扱いとなる。ただし、元の府省への復帰が前提の出向の場合には、国家公務員退職手当法第7条の3に基づき退職手当は支給されないことがある。

情報公開

独立行政法人は原則的に「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)」に基づく情報開示義務を持っているため、市民でも安価に情報開示請求が出来、通常の日本式ビジネス文書を書ける社会人であれば、制度の利用は難しくない。ただし、細かい運用は法人ごとに違いがあり、例えばメールで事前に開示請求の書面チェックを受けつけるか、事前書面チェックが終わり開示請求書の文面が完成した時に開示請求者にそれを通知するか否か、開示情報のデータ量が少ない場合にPDFファイルの電子メールへの添付という配送手段を選択できるか、それとも全て窓口での閲覧か郵送かでしか受けつけないか等は、それぞれの法人しだいである。

いったん受理された情報開示請求に対しては、原則として1月以内に開示・非開示決定の通知が行われる。事前書面チェックに応じるものの開示請求書が完成したことを通知しないスタイルの法人の場合、作業を淡々と内部で進め、開示請求者から問い合わせをしないと、いつ開示請求書が完成し、いつまでに開示・非開示決定がなされるのか分からないことになる。

なお、総務省行政管理局より、全ての独立行政法人に対して監督省庁を通じ、統一フォーマットで平成18年度と19年度の間での随意契約の件数・金額ベースでの見直し状況を公表するよう命令が出ており、この情報を開示しない独立行政法人があれば、監督省庁からの指令への違反である。

事業仕分け

過剰な職員優遇

  • 2010年(平成22年)5月14日 - 総務省は殆どの独立行政法人が2001年(平成13年)の創設から2009年(平成21年)度末までに過剰な福利厚生費を参議院決算委員会に報告し、所管の省庁に是正を通知した。これらの費用には職員への食券支給、個人的旅行の費用の一部補助、入学や結婚の祝い金などが累計約742億円あった。また同日、厚生労働省は29の法人において職員の健康保険料の負担を半額以下としており、国家公務員や中小企業における半額負担より公金投入により職員が優遇されているとして見直しを求めた。厚生労働省所管の法人では6法人あった[9][10]

略称

そのまま表記すると6文字となるため、短縮する必要がある場合は独法独行法人等と表記する。また、各独立行政法人を短縮表記する場合には独法独行法のように表記することが多い。株式会社の(株)や財団法人の(財)に倣って、(独)という表記も用いられる。口語では「独法(どっぽう)」などということがある。銀行の振込先や電報・テレックスなどでのカナ表記はドク)(「ド」だと合同会社になる)となる。

脚注

  1. ^ 独立行政法人通則法、第一条(要約)
  2. ^ 森田 朗 「行政改革」 法社会学 Vol.2001, No.55(2001) pp.71-85,248 (Journal@rchive
  3. ^ 独立行政法人一覧(PDFファイル)(総務省)上位URL=総務省 - 独立行政法人 2010-05-03 閲覧
  4. ^ a b 独立行政法人評価年報(平成20年度版)第1部第3節 役職員の状況(PDFファイル)(総務省)上位URL=政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価年報(平成20年度版)平成21年12月9日 2010-05-03 閲覧
  5. ^ 平成21年度独立行政法人等向け財政支出について(PDFファイル)(財務省)、上位URL=平成21年度予算政府案 2010-05-03 閲覧
  6. ^ 事務・技術職員平均値(職員全13万2015人中、役員・研究者・医師等を除く3万4557人の平均値) 2008年度 独立行政法人評価年報(平成20年度版)第1部第5-1節 職員の給与水準(PDFファイル)(総務省)上位URL=政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価年報(平成20年度版)平成21年12月9日 2010-05-03 閲覧
  7. ^ "大臣等記者会見、枝野大臣記者会見要旨". 内閣府・行政刷新会議 (1982年). 2003年閲覧。
  8. ^ 読売新聞2010年2月26日夕刊3版1面
  9. ^ 食券・結婚祝い…独法9年間で742億円支出読売新聞2010年5月15日13S版2面
  10. ^ 厚労省の6独法で健保保険料優遇…是正要求読売新聞2010年5月15日13S版2面

関連項目

外部リンク

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